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2004/5/1

売れない時代の売り方に変えよ

 昔は景気が良くて放っておいても良く「売れた時代」があったが、いまは努力しても売れない時代である。ところが理屈では分かっていても店の売り方は昔の「良く売れた時代」のまま少しも変わっていない店が多い。買い物客の大勢集まる好立地に店がある場合は昔のままでもいいだろうが、そういう好立地は次々と移動していく。それにに合わせて永久に出店を続けることは出来ない。どうしても売れにくい立地で商売を続けることになる。そこで「売れない時代」に合わせた売り方の開発が必要になる。
 たとえば品揃えも陳列も店頭重視で貫いている店もある。店頭にたくさんのビラを張り安さを強調しておけばお客は自然に店内に入ってくる、と信じ込んでいる。つまり「売らんかな」の意欲を店頭に溢れさせるのだ。ところが店頭は賑やかになるが店内は薄暗くてよく見えない。これでは買う意欲の薄いお客を店内に引き込むことは出来ない。
 「売れない時代」は店頭に気分のなごむ雰囲気を出す方がいい。珍しい花鉢を並べて見ているだけで気分が良くなり「キレイね、何の花かしら」と思わずお客が店頭に立ち止まるような店がすばらしい。店内は奥まで見通しが良くて陳列も楽しそうな雰囲気を溢れさせる。店内からお客に話しかけるような陳列がいい。
 売り場の商品陳列もアイテムごとの大量陳列は避けたほうがいい。売れた時代なら品切れを起こさない大量陳列はお客に安心感を与えていたが、いまは多すぎる商品の山を見てお客は気分が滅入るだけだ。いまは物が溢れて捨てるのに困っている時代なのだ。
 販売員の接客も「買ったお客は少しでも早く売り場を追い出し、次のお客を迎える準備をするべきだ」と教えられてきたが、いまは次々とお客が続かない。いまのお客を追い出すと次ぎのお客は当分入ってこない。だったら少しでも長くいてもらうことを考えるべきだ。またお客をリピート客(再来店客)に育てることを考えるべきだ。売り場で何かに感動したお客がリピート客になる。どうやって何で感動を与えるかを工夫せよ。
 どうやったら「あなたは特別のお得意客ですよ」と感じるような応対が出来るかが勝負である。そのためのキメ細かな気ずかいが必要だ。
 また「よい品を安く売る」ことよりもどんなアフターケアをしてくれるかが問題になる。その工夫でお客を感動させるようにしたい。
 私の店ではスーツなどのクロージング仕立ての服を売ると収納時期に「収納情報」と収納用の「スーツカバー」を郵送している。それも一人ずつ封筒に入れて二百四十円の郵便切手を貼って発送している。
 お客からは「今日、スーツカバーが着いたよ、ありがとう」という感謝の電話が何本も入る。経費も掛かるが、もう数年間も前から続けている。それも売れない時代の売り方の一つだ。


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