海外で開催される見本市に行っても中小専門店には最低発注数量が多くて取り引き出来るチャンスは少ない。その上旅費や宿泊費の経費がかさみ採算が取れない。
貿易に熱心な国は政府機関がリードして日本国内で展示会を定期開催している。普通は東京と大阪、北九州でやっているので、これなら毎回参加することも可能である。そこで国内コンベンションでの仕入れについてアドバイスしたい。
専門店である以上魅力ある独自の品揃えを持ちたいと思う。そのためには国内だけでなく海外からも独自の仕入れルートを持ち特徴のある商品を仕入れたい。その仕入れのために国内開催の展示会に行き情報収集をする必要がある。
しかしイタリアやイギリス、フランス、アイルランドのように一国で開催している展示会と、本紙が主催するような大仕掛けの展示会IFFのようなものがあり、それぞれに特徴があるので上手に生かして参加したい。
専門店が現在の品揃えの中から考えて「こんな商品が仕入れたい」と具体的に商品が見えているなら、一国主催の展示会に行くことを進言する。普通は三十社から五十社くらいの規模が多いので、参加各社のブースを丹念に回り、そこの品揃えを見て担当者の話しを聞く。もちろん通訳が付くので会話に不自由はない。その中に欲しい商品がズバリない場合でも、どこかのメーカーで別注させることも考えてみることだ。
僕はアイルランドの展示会で「アランセーターの本物を仕入れたい」という思いで参加したが、見て回っているうちにピッタリ本物に出会った。またイタリアの展示会では「革質の良い出張用のシンプルな無地鞄が欲しい」という思いで探したら、これもピッタリのメーカーがあった。
しかし、発注は決して大量発注をしないことだ。自店で消化出来る範囲内で数字出しをする。そうすれば息長く取り引きが出来る。
次に大型規模の展示会ではねらいを定めたような一点の品探しは無理である。どうしても参加するメーカーが国内国外で数百社にもなることがあるので、一社当たりの懇談時間を多く取っていると、全部の参加企業を回るためには数日掛かっていまう。
僕は一つのブースの前に立って「ここはどんな品をどんな考えで作っているのか」「どんなお客をターゲットにしているのか」などのメーカーとしてのもの作りの思想を見抜く。どうしてもそれがよく分からないときは担当者に声を掛けて話しを聞く。
それが終わると次のブースに行く。これを出来るだけ短時間に要領良く続けていくと自分の勉強になる部分が大変多い。また「次の流行はこう変わるのではないか」という閃きも掴める。その中で「この品は絶対に欲しい」と思えるブースにぶつかるものだ。
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