日本はいまデフレ経済の中をさまよい続け、見えない出口を探し求めている。商売もよく売れたインフレ時代から売れないデフレ時代に突入して、売れないことに適合した店は生き残れるが、昔の売れた時代の商売を引きずっている店は赤字が続き廃業したところも大変多い。
中小専門店が売れないデフレ時代を生き抜くには商売の基本的な部分で大きな変化が必要で、その条件をいくつか考えてみたい。
まず価格政策だ。デフレになるとお客の収入が減り、その収入も先行きが不安になる。だから「値段を安くしないとお客は買わない」という理屈は説得力がある。事実、安売り量販店が大型化して大きな売上げを取る。しかしその安売りにも陰りが見え「安いだけでは売れない」ことが分かってきた。
日本のデフレは国力が落ち国民全体が収入減少に見舞われているのではない。お客の中には高収入でいそがしい仕事をしている人たちも大勢いる。そのため大型量販店は収入の減った大衆のお客を狙って安売りで商売を継続しようとするが、中小専門店が同じように「安売り大衆向け商売」をしてはいけない。激しい価格訴求の嵐に巻き込まれてしまう。
品質の面でも同じことが言える。安さ価格を優先する商売はどうしても品質が落ちてくる。専門店は価格の安さより前に品質の良さがくる。その店の持つ品質の信頼にもとずいて、最低の品質ラインを守ることが必要だ。
とくに安さを出すメーカーはすべて海外生産に依存している。専門店は国内生産の品質の丁寧さを全面に出して品揃えをするべきだ。
次に顧客管理について提言したい。量販店はどこまでも大衆顧客を狙う以上、個々のお客のことは無視せざるを得ない。専門店は一段と個客を絞り込んでキメ細かな顧客管理をしなければいけない。
たとえば今までは販売した服の内容をカードに記録してアフターケアをする程度の管理でもよかったが、今後は買い上げられた洋服の端切れやボタンなどの付属を小袋に入れて管理するくらいにしないといけない。
販売員について提言する。以前の売り場には「お客は売り場に入ってくるもの」という前提があった。一部の繁華街にある店を除いて、今は「お客は勝手に売り場には入って来ないもの」になってきた。
「午前中は売り場に一人のお客も来なかった」という状態も起きている。そうなると「お客の来ない時間帯の仕事のやり方」が問題になってくる。この問題は販売員だけでなく店長以下売り場全体で考えねばいけない。
次にお客を売り場にこさせる催事やイベントの企画が必要である。商品そのものの売り出しではなく文化芸術やスポーツなどを加味した生活型の催事やイベントである。そのためのダイレクトメールやホームページ、電子メールの活用が必要になる。
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