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2003/3/1

勉強熱心な店は個性的な専門店になれる

2003-03-01  宝石業界のセミナーに出講した。安売りの大量販売をモットーにする催事販売が行き詰まり、店のファン顧客を持った専門店が見直され、品揃えや売り方で個性的な売り方をどう作り上げるか真剣に考えてほしいと提言した。
 一時間半ほどの講演の後、若い夫婦が休憩している僕のそばに来て話し込んだ。
 「私たちは先生のファンで、繊研新聞をはじめ先生の書かれたものはたくさん読んでいます。先生のおっしゃる個性的な専門店づくりを工夫しながらやっています」と熱っぽく話した。
 その店は人口もさほど多くない地方都市の宝石、アクセサリーの専門店だが、指輪やネックレスのサイズ直しはお客を売り場で待たせたまま店でやっていた。それがお客の評判になり知り合いのお客を連れて来てくれるお客も多くなった。
 しかしダイヤの指輪のカットや台をいま風に仕立て直すことや、この台にこちらの石を組み込むなどのコーイディネートを変えることは技術的に店では出来なかった。だが若い店主は専門的な加工機械を売り場に導入して、その技術を身に付けたのである。
 「お好きな宝石にお気に入りの台を探してください。すぐに貴女だけの指輪をお作りします」とお客に呼びかけた。これも評判になり加工資材的な商品を置く売り場を新しく作った。
 「品揃えを特定の商品だけに片寄って専門化すると、地方では対象のお客が少なくなって採算が取れなくなります。たとえばダイヤモンド専門店の看板を上げたのでは地方では売上げが取れません。だが、いま売れている商品の中から組み合わせを変えて独自性を出すのなら新しく売れる商品を作れます」と彼は言う。
 そして店主は考えた。店のヒマなときに店独自の組み合わせの商品を作って陳列に飾ることにしたらいい。そうすれば店のオリジナル商品が簡単に出来る。
 だがこの場合、新しい組み合わせの商品の作り方にはその時のファッション性や人気のある素材の勉強が欠かせない。それを怠ると「売れない時代遅れの商品」を作ることになる。売り場でお客の声を聞き、お客のニーズをつかんで商品化する努力が必要である。
 ある婦人服専門店で問屋から仕入れた商品にちょっとした加工をして店独自の商品に仕立て上げ人気になった専門店もある。
 僕が聞いたのではコートやジャケットなどの大きいボタンの付いた商品のボタンの中央に色落ちしないペンキでパステル調のしゃれた色をちょいと加えるのである。これでそのコートは新しいセンスの商品に生まれ変わる。だがその加工をする色にファッション感覚がなければいけない。
 若い店主の宝石専門店も色で加工する婦人服専門店も、共に従来の品揃えの中から個性的な商品を作り上げる技術を活用している。熱心に勉強する店こそ専門店になれるのである。


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