ある地方都市の商店街へ行ったときのことだ。アーケードの外れに総合衣料の店と婦人服の店があった。婦人服のお店には西向きのショーウィンドがあり、そこへ西日がべったり当たっていた。ウィンドの中にはマネキン人形に着せた春物の婦人スーツが二体とセーターやカバンが所狭しと並べられている。そこへ太陽光線が落ちている。
総合衣料のお店はストッキングの商品台が置かれその隣にはカットソーのセーターが大量に積まれている。そこにも西日の太陽がべったりと当たっている。
店内にいる販売員は忙しくて商品が日焼けすることに気付いていないのかな、と思って売り場をのぞいてみたら店内の何カ所かで三人くらいの販売員が何やら楽しそうに話合っている。
忙しいわけではないのだ。店頭で商品が日焼けしていることを知らないのだろうか。
婦人服店のほうは人手が少ないのか店内には販売員の姿が見えない。おそらく商品の日焼けには関心がなく放置されているのであろう。
西日がべったり当たっている商品は数日のうちに日焼けが進行する。一番ひどい被害をうけるのは空色の商品で西日の当たっているところだけ色が抜けて白色になっているだろう。ストッキング台の商品は上の出ている部分だけが変色するだろう。
部分的に色が変わった商品は完全な傷物である。もう売るわけにはいかない。この両店は毎日、店頭でせっせと傷物商品を作っているのだ。
この状況を他の街で勉強会があったとき店長に説明して聞いてみた。
「ああ、日焼けはおきますね。西向きの場所は仕方がないてすね。そこにある商品はある程度の日焼けが起きるのは・・」と、半ばあきらめ顔で返答した。
「じゃその日焼け商品はどうするんですか」と僕が聞くと「困るんだよな日焼け商品は、ちょっとくらい安くしても売れないんだから、なるべく仕入先に返品するようにしています」と答えた。つまり商品の日焼けは仕方のないことで返品するしか方法がないと言うわけだ。しかし日焼けしたから返品するような店は仕入先に敬遠されるのは当然である。
何故、西日が当たらないような対策をとらないのか。日除けの布を吊るとか、商品台を動かすとかでいくらでも対応策は立てられよう。
西日でなくっても商品が蛍光灯に近づきすぎるとやはり変色は起きる。明るさでなくても埃が付いたのを放置すると「ほこり焼け」の状態がおきるのだ。僕は商品を日焼けやほこり焼けさせた場合、責任は店長以下全員の販売員にあると考えている。
お客は日焼けの起きそうな状態で放置している店では買い物をしない。その状況を見ただけで逃げてしまうだろう。日焼けは一部の商品だと店側は考えているだろうが、お客はすべての商品が日焼けしていると感じてしまう。
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