1963年というと、東京でオリンピックが開催される更に一年前まで遡る、いまから36年も前のことである。そのころ日本の自動車界では、マツダは初代キャロルを発売し、ホンダはSシリーズで若者たちを魅了していた。
ご周知の方も多いか、英国のスポーツカー「MGB」がガレージへ居座ってから、今年10年目の夏を数える。彼が生まれた...英国で生産されたのは1963年の夏のことで、それはとりもなおさず私自身と1ヶ月と異ならない、まったくの同年配なのだ。
さて、彼と暮らし始めたころといったら、同好の士と自動車クラブなんぞを立ち上げ、モータースポーツや様々なイベントへMGBを連れ飛び回っていた。なにしろ古いが故に信じられないような壊れ方もしたし、それをガレージで修理することも、また愉悦のひとつであった。
が、時が経つにつれ、水の絶えた花がしおれるように自動車道楽から遠ざかり、2年前の大修理を最後に、とんと工具を持たなくなった。それでも彼は威勢良く走り続けていたのだけれど、過日、遂にトラブルを再発したのである。
どこか、なにかに似ている...。
思うが侭に走り続けて20代を謳歌したMGBは、30代の半ばを迎え手入れが成されなくなると、同時に不具合を訴える。ふむ、運動不足を自覚してから4〜5年が過ぎたこのごろ、そういえば膝や腰などに気だるさを感じる。どうもこのままではいかんようだ。
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