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《シューケアバイブル》
革のコンディションと手入れ
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靴の手入れ。よく言われる「靴の手入れ」とは、靴墨を塗りつけタオルでごしごしと懸命に擦るのであるが、そうしてぴかぴかの艶を得た靴がいつの間にかひび割れてしまったり、あるいはシワが刻まれたまま硬直したような経験はないだろうか。
それが高価な靴だったりすると、「なんだ?、店員の言う通りやったのに・・・」と不満が鬱積するか、さもなくば高いモノを掴まされた、と訝るか、どちらにしても腹立たしいことに違いない。
わざわざ時間を割いて手入れをしていたにも拘わらず、どうしてこんな悲劇が起きるのだろう。
靴を手入れしようと思うとき、いったい靴の何を見てさように思うか考えてみられよ。
なんだか艶がない。汚れている。あるいは買ったときには活き々々していた風合いが、どうもカサついているような気がする。ようするに、どことなくくたびれているような感じがする。こんなところだろうか。
さて、革の風合いやしなやかな強度を保たせているのは水分と脂肪分であり、それは人間の素肌と同じような性質を持つ。そして新陳代謝をしないから、水分と脂肪分は補ってやらねばならない。
一見すると「ただ、くたびれた」革には、実は様々な「くたびれた状態」があるのだ。革の栄養となる水と脂が欠けている場合、表面に汚れが付着しているとき、縫い目や底革が傷んでいるケース。
千差万別にある革のコンディションに目をくれないで、大半がワックス成分で作られた靴墨を意に介さず塗りつけてしまっては、英国製であろうと何万円の値段が付いていようと、革はひとたまりもない。
すなわち手入れとは、革のコンディションを見極め、必要にして充分な対策を施すことを云う。あまたある手入れ用品もまた、万事万能の魔法薬では決してない。
正しい手入れは、革の寿命をまっとうさせるのである。
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